女性の抜け毛や薄毛、脱毛症になる原因とは?|進化する育毛技術(4/6)

2020年1月22日

目次:

■女性の脱毛・薄毛は男性と何が違う?

■女性の男性型脱毛(FAGA)

■疾患脱毛

■休止期脱毛

■円形脱毛

■抗がん剤治療脱毛



みなさんは髪とのつきあい方を考えたことがあるでしょうか? 女性ホルモンの減少による抜け毛・薄毛は、年齢を重ねれば誰もが経験する自然なことです。特別なことではなく、避けて通ることができません。そのため抜け毛・薄毛とどう向き合っていくかがポイントになります。まずは自分の髪のことをよく知ることからはじめましょう。


■女性の脱毛・薄毛は男性と何が違う?

脱毛や薄毛の悩みは、“男性の専門分野”と思われがちですが、いまや、55歳以上の女性の約7割が薄毛に悩んでいます。また最近は、20代や30代と若い女性たちが、薄毛に悩む事例も増えているそうです。


では、女性の脱毛・薄毛の要因は、何でしょうか。


1つは「ホルモンバランスの乱れ」です。更年期(45歳〜55歳)になると、急激な女性ホルモンの減少とともに、脱毛・薄毛が気になりはじめます。2つ目は「頭皮トラブル」です。髪に合わないヘアケア用品(シャンプー・ヘアトリートメント)を使い続けると、髪が成長しにくい頭皮環境に変化します。3つ目は「過度なダイエット」。極端な食生活は、毛根への栄養・酸素不足の一因となり、脱毛・薄毛を進行させます。4つ目は「加齢」です。


加齢によるヘアサイクルの変化が、薄毛の原因になることもあります。そして、5つ目は「ストレス」です。仕事や人間関係のストレスで、ホルモンバランスが乱れて血行不良になると、脱毛症になることがあります。最後は「生活習慣の乱れ」です。睡眠不足や運動不足、喫煙などの不健康な生活習慣は、血行不良を招き、薄毛の原因になります。


これらの要因から、ホルモンバランスが原因で起こる脱毛を「女性の男性型脱毛(FAGA)」、ダイエットなどによる亜鉛欠乏症や貧血などで引き起こされる脱毛を「疾患ベースの脱毛」、妊娠・出産など生死に関わる過剰なストレスが原因の脱毛は「休止期脱毛」などと呼んでいます。


では以下から、女性ならではの脱毛症のメカニズムと対処法をみていきましょう。



■女性の男性型脱毛(FAGA)

→閉経を迎え女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンが優位に働く時期に起こる脱毛症です。薄毛に悩む女性の約半数がこのタイプだと言われています。髪の生え際から頭頂部にかけて抜け毛が増え、同時に髪の毛が軟毛化し、地肌が透けてみえるようになります。女性の場合は、男性と違いすべての毛が抜け落ちないのが特徴です。


もともと遺伝的に男性ホルモンに対する感受性が高いと男性型脱毛症になりやすいといわれていますが、FAGAがどのように遺伝するか解明されていません。特効薬がなく、対処が難しい脱毛症だといわれています。


FAGAには決定的な対処法はありませんが、2017年版では女性型脱毛症への対処法も併せ持つ新たな診療ガイドラインが取り入れられています。こちらで紹介している記事から、どのような治療がスタンダードとなるかなどより詳細が分かるので興味のある方はご覧ください。


■疾患脱毛

→亜鉛欠乏症や貧血が原因の脱毛症です。鉄分や亜鉛が不足すると、髪に十分な栄養素が供給できなくなり、抜け毛につながります。食生活の改善や投薬治療で改善できる症状です。


■休止期脱毛

→地肌が透けて見えるほど頭部全体の毛髪が薄くなる、女性特有の脱毛症です。FAGAと違い、毛質が軟毛化しないのが特徴です。原因は、加齢や疲労、ストレスなど複数あると言われています。治療方法は特定されていませんが、時間をかけて要因と思われることを取り除くと、改善する場合もあるようです。


■円形脱毛

→リンパ球が自分の毛根を敵と認識して攻撃する、自己免疫疾患の一つです。小さなものは自然治癒することもありますが、大きいものや進行の早いものは、医療機関で早期に治療するのが得策です。


■抗がん剤治療脱毛

→抗がん剤の副作用による脱毛症。頭髪だけでなく、まゆ毛やまつ毛にもおよびますが、薬の投与終了後には、髪は再び生えてきます。


女性の男性型脱毛(FAGA)や休止期脱毛など、遺伝的要因や加齢・疲労・ストレスにより引き起こされる脱毛症には、決定的な対処法はないのが現状のようです。しかし、抜け落ちた毛と寂しくなった頭部を見る度に落ち込むと、それがストレスとなり薄毛を加速させてしまうかもしれません。


“女性は薄毛にはならない”というのは、時代錯誤の通念。いまや、女性の薄毛は、加齢とともに起こる避けられない問題です。悩んで後ろ向きになる前に、信頼のおける医療機関で受診をして、専門家に相談して、解決の糸口を探してみてはいかがでしょうか。




記事初回公開日:2015年8月13日

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