板見教授インタビュー: 男性型脱毛症(AGA)になるメカニズム

2016年4月8日

脱毛、薄毛は自分にあった方法で治療できる時代に入った。
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大阪大学 大学院医学研究科 板見 智 教授

男性型脱毛症はなぜ起こるのか、それはどういうメカニズムで抜けるのか。脱毛のメカニズムが解明され、治療の道は大きく開かれた。板見智教授は、エビデンスに基づいた診療ガイドラインを策定する毛髪研究の第一人者である。


男性ホルモンからの信号が髪の毛の成長をコントロール


男性型脱毛症が起こるメカニズムは、どれぐらい解明されているのですか?

男性型脱毛症に遺伝的要素があり、それが人種によって違うこと、さらに男性ホルモンが強く関係していることは、70年も前からわかっていました。


人種による違いでいえば、アングロサクソンは若くして発症して(発症率 全年齢平均40数%)進行も早い、日本人は遅くに発症して(発症率 全年齢平均30%)進行もゆっくり。ただ同じアジア系でも韓国・中国は日本人より10%低いということもわかっています。ただ、遺伝と男性ホルモンという二つの要因で、なぜ男性型脱毛症が起こるのか、メカニズムが解明されたのは比較的最近のことです。


どういうメカニズムなのでしょうか。


代表的な男性ホルモン(テストテロン)が血中を流れて細胞内に入ると、ある酵素によってジヒドロテストテロン(DHT)という物質に変化し、それによって男性ホルモンレセプターも様々な変化をして、結果的にヒゲには毛の成長を促進するシグナルを、前頭部や頭頂部には逆に毛の成長を止めるシグナルを出すようになります。


男性型脱毛症の人は、この成長抑制シグナルが強いので、前頭部や頭頂部が先に薄くなってしまうのです。細胞を顕微鏡で見ればシグナルが入ってきたときの反応はヒゲも髪の毛もほとんど同じものですが細胞の核の中の遺伝子レベルで、情報の受け止め方が異なっているのです。



Vol.1 男性ホルモンからの信号が髪の毛の成長をコントロール
Vol.2 薬による治療や自毛移植も、もはや当たり前に
Vol.3 エビデンスに基づいたガイドラインを活用

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