ヘアサイクルと脱毛のメカニズム

2018年6月20日

目次:

■「ヘアサイクル」とは?

■ヘアサイクルの説明

■ヘアサイクルが乱れると薄毛の原因にも





ヘアサイクルには3つの段階があり、成長期、移行期を経て休止期に入ります。休止期の毛根は2〜3ヶ月で自然に抜け、再び新しい毛が生えてきます。



■「ヘアサイクル」とは?


シャンプーやブラッシングをすると、髪が抜けますね。1日平均、80〜100本は自然に抜けると言われていますが、毛髪が完全になくならないのはなぜでしょうか。それは、髪には寿命があり古くなった毛は抜け落ちますが、やがて新しい毛が生えてくる“サイクル”があるためです。これをヘアサイクルといい、「成長期」、「退行期」、「休止期」の3つのステージに分かれています。


■ヘアサイクルの説明


では、髪はそれぞれのステージで、どんな状態にあるのでしょうか。


成長期は、まさに髪が成長する段階です。髪の毛の元である毛母細胞の細胞分裂が活発に行われ、毛球部で作られた毛は、その後、上部へと押し上げられます。人間の髪の毛は、約10万本あると言われています。その約85%が成長期の段階にあり、一般的には2〜6年で次のステージへと移行します。


退行期とは、休止期に移行する過程の時期です。毛母細胞の細胞分裂が衰え、毛球が退縮し、完全に退化します。この期間はおおよそ、1〜2週間程度と言われます。ヘアサイクルの最終段階である休止期では、髪の毛の製造がストップし、古くなった髪の毛が抜け落ちます。このステージは、約3〜4カ月かけて終了します。


男女や個人で差がありますが、女性の場合、平均的に4〜6年でヘアサイクルが一周し、一生で15〜30回ほどのヘアサイクルを繰り返すといわれています。


■ヘアサイクルが乱れると薄毛の原因にも


成長期の髪の比率が少なくなり、休止期の髪が多くなるといったヘアサイクルの乱れは、薄毛の一因でもあります。


ヘアサイクルが乱れる要因はいくつかあり、ストレスやよくない生活習慣(睡眠不足や運動不足、喫煙や過度の飲酒など)に加え、間違った頭皮ケアや季節的な要因、加齢などさまざまです。


ストレスやよくない生活習慣、間違った頭皮ケアは、頭皮の血流を悪化させます。頭皮の血流が悪くなると、ヘアサイクルにも悪影響が。健全なヘアサイクルを維持するためには、日頃の生活スタイルを見直し、ストレスの少ない規則正しい生活を送るよう努めましょう。


また、ヘアサイクルは、季節で乱れる傾向もあります。「秋口に抜け毛が増える」と実感している人も多いようですが、これは、成長期にある毛の比率が、季節が要因で変化しているためです。休止期の毛の量がピークとなるのは、7月だといわれます。


休止期は約3カ月かけて終了するため、10月ぐらいまでは自然脱毛が増加するというわけです。つまり、秋口の抜け毛は、科学的にも証明されていること。“季節の風物詩”と楽観的にとらえて、気持ちを楽に持ちましょう。


さらに、加齢にともなうヘアサイクルの変化も自然現象のため、ある程度は仕方のないことです。ただし、閉経による女性ホルモンの減少で起こる、FAGA(女性男性型脱毛症)は例外です。成長期の期間が短縮してしまうFAGAは、成長期を持続させるようなケアで、薄毛が解消する場合もあります。閉経や更年期障害など体の変調とともに薄毛を感じた時は、早めに専門の医療機関やサロンへ相談するのが得策でしょう。



ヘアサイクルは、生活習慣により乱れてしまう、繊細なものです。自身のシャンプーの方法が正しいかを見直したり、仕事や人間関係のストレスを軽減するよう努めたり、睡眠不足や運動不足、喫煙や過度の飲酒などよくない生活習慣を正したりすることで、ヘアサイクルを健全な状態に導けるかもしれません。

ヘアサイクルの基本を理解し、薄毛にならないライフスタイルが送れるよう努めたいものですね。


記事初回公開日: 2015年6月25日

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