ウィッグは患者の心理にどのような影響を及ぼすのか

2015年10月23日

円形脱毛症や男性型脱毛症の患者さんが、ウィッグをつけると症状を見た目にカバーできるため、気持ちに張りが出て、仕事や生活の質が改善される──。

[乾 重樹 准教授]のご紹介



これは一般的に言われていることだが、これまでそのことを科学的に示すデータがなかった。この課題に取り組んだのが大阪大学の乾重樹准教授だ。世界初ともいえる、ウィッグの心理的QOLに関する統計的調査を行い、ウィッグがもたらす心理的役割を解明した。


■ウィッグの有用性について医学的データがなかった


―どういうきっかけから、ウィッグに関心を持たれたのですか。

2010年に日本皮膚科学会において脱毛症の診療ガイドラインが策定されました。その中でウィッグについても推奨度を定めようとしました。そこで、医学的にウィッグが有用であるということを示す根拠になるデータがあるのかどうかを調べたのですが、これがないんですね。脱毛症の患者さんは、一般にウィッグを着用することで、心理的コンプレックスが改善され、前向きに生活できるようになるとは言われているのですが、それを医学的な視点できちんと調査したデータはなかった。
少なくともウィッグが患者さんに対して心理的によい働きをしていることを示さなければ、ガイドラインの中でこれを推奨することはできません。


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