髪を育てるビタミンと接種上の注意点

2019年9月25日

細胞の機能を活性化させるビタミンは、髪や頭皮の健康に欠かせない栄養素です。手軽に補給できるアイテムとしてビタミン剤がありますが、過剰に摂取しないように気をつけなければいけません。

髪にとって大切な栄養素のひとつに、ビタミンがあります。細胞の機能を活性化させ、髪や頭皮の健康を保つために、ビタミンは必要不可欠な存在です。


ビタミンには、現在発見されているものだけで20種類以上もあり、それぞれの性質や働きはすべて違います。ビタミンの中でも特に髪の健康に関係があるといわれているものは、次の5つです。


  1. ビタミンA 不足すると皮脂腺や汗腺が萎縮して、皮脂や汗の分泌が少なくなり、頭皮が乾燥します。過剰に摂取しても、頭皮の栄養障害を引き起こして抜け毛の原因になることがあります。
  2. ビタミンB2 体全体の新陳代謝を盛んにして、頭皮の毛細血管を丈夫にし、血液の循環を良くする働きがあります。不足すると皮脂の分泌異常や角質化異常が起こり、フケや抜け毛の原因になります。
  3. ビタミンC 細胞を活性化させる作用や炎症を抑える作用、代謝の促進作用があります。ホルモンの分泌を盛んにしたり、カルシウムの吸収を助けたりする作用も。また殺菌作用があるのも、ビタミンCの大きな特徴です。
  4. ビタミンE 脳下垂体、性腺、副腎皮質などの機能を刺激することで、毛細血管を拡張して血行をよくする働きがあります。不足すると血行が悪くなり、毛母細胞が栄養不足になるため、毛髪の発育が悪くなります。
  5. ビタミンF 不足すると頭皮が乾燥し、髪が傷みやすくなります。


これらのビタミンは、豚肉の赤身、レバー、うなぎ、玄米、小麦胚芽油、緑黄色野菜、じゃがいも、柑橘類、ごま、紅花油などから摂取することができます。ただ種類によっては、ビタミンCのように水や熱に弱く、調理すると栄養素が逃げてしまったり、喫煙によって損なわれたりするものもあるため、普通に食事をしていては不足しがちなものもあります。


そこで手軽にビタミンを補給できるのがビタミン剤ですが、過剰摂取が問題になるものもあるので、注意しなければなりません。


ビタミンには水に溶けて体外に排出されやすい水溶性ビタミンと、体内に蓄積されやすい脂溶性ビタミンがあります。上記のビタミンではB2、C、Fが水溶性、AとEが脂溶性に分類されますが、Eは性質的に水溶性に近いビタミンといわれています。


一般的に過剰摂取に気をつけなければいけないのは脂溶性のビタミンで、ここではAがそれに当たります。ビタミンAは、頭皮の健康を保つために欠かせない栄養素ですが、摂りすぎると頭皮の角質化や発疹の原因につながります。通常の食事だけでは過剰摂取になるおそれはほとんどないのですが、ビタミン剤の服用によってこのような弊害がもたらされることもあります。


食事からビタミンを摂取する場合も、例えばうなぎは髪に良いビタミンAが豊富だからといって、毎日うなぎばかり食べていたら、過剰摂取になったり、ほかの栄養素が不足したりするなど、髪にもかえって悪い影響を与えることになります。


また直接は髪に関係ありませんが、腎臓に疾患のある人がビタミンCを多量に摂取すると、腎臓に負担がかかって症状が悪化することがあります。「どんなに摂取しても摂りすぎになることはない」といわれるビタミンCも、人によっては摂りすぎると危険なこともあるため注意が必要です。


ドラッグストアで簡単に手に入り、手軽に栄養補給できるビタミン剤。美容や健康に良いからと、素人考えでビタミン剤を飲みすぎるのは危険です。栄養は食事から摂取することが基本。ビタミンを錠剤で補給するなら、個々の性質をよく理解したうえで服用するようにしましょう。



記事初回公開日: 2015年10月20日


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