真田弘美 教授 インタビュー 頭皮の健康とウェルビーイングの関係性 Vol.2

2016年6月17日

頭皮の状態そのものを変えることによって問題解決
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東京大学大学院 医学系研究科健康科学
老年看護学/創傷看護学分野 教授


研究のゴールは、頭皮の状態を解明することですか?


ただ解明するだけでは解決策は見いだせません。解決策を示してこそ、現場に役に立つ研究です。すでに一緒に研究していた峰松健夫先生たちはAHLという物質が発毛促進効果を有していることを見つけていました。3年ほど前に、この研究を頭皮の状態解明と平行して進めることで、スカルプケア・サイエンスが成立すると考えました。


現在、その研究はどの段階まで来ていますか?


やっと調査施設が確定したところです。女性として、乳房を失い苦しんでいる患者様に頭皮まで調べさせてもらうのは、非常に難しいことです。そこで、実践力があって研究する力もあり、臨床現場に密着して患者様との信頼関係もつくることができる、優れた看護研究者の存在が必要になります。


そういう可能性のある人材を発掘し、育成するのに1年半かかりました。また、このような研究者が力を発揮するためには、調査施設の理解と信頼を得、協力関係を構築する必要があります。人材育成・調査施設の確保ができ、ようやく調査のスタートラインに立てた、というのが現状です。


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そこから、どういうことが見えてくると期待されていますか。


乳癌などの治療による脱毛症で悩まれている方々の頭皮に何が起きているかのメカニズムが解明されれば、どういうケアをすればいいのかという方法論を固めていくことができます。

そして頭皮スキンケアが変わることによって、先駆的に毛髪の問題を解決していくことができるようになるのでは、と考えています。



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インタビュー・文/広重 隆樹 撮影/圷 邦信

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