平尾氏インタビュー: 超狭帯域LEDの頭皮や皮膚への効果

2016年5月6日

京都大学大学院工学研究科の藤田静雄教授とともに、「光と細胞の相互作用」を共同研究している平尾孝研究員(工学博士・学術博士、高知工科大学名誉教授)に話をうかがった。
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●なぜ超狭帯域光が効果的で、広帯域光ではだめなのでしょうか。


平尾氏: 今後、照射光の帯域幅を変化させつつ生化学的な実験を行っていく予定ですが、現時点では2つの理由から超狭帯域光が効果的だと考えます。


一つは、臨床に用いた光強度は自然界における光強度に比べて、弱いということです。臨床に用いた赤色領域の照射量に比べ、太陽光のもとで1時間外出する方がかなり多い。自然界で浴びている量より少ない光を「あえて狭帯域のみ選択して」浴びることで効果が得られているのです。逆に言えば、広帯域の光で効果があるのなら、自然界の光を浴びるだけで充分で、「わざわざ狭帯域の光を浴びる」ことはなく、効果が見えるはずです。


もう一つは、発毛と育毛効果が赤色レーザー照射で見出された、ということです。もちろん広帯域赤色LEDが効果がないとは言えませんが、レーザー照射で効果があることは一般に知られていますから、深達度が大きく、細胞に届き、かつ波長効果を考慮することが重要だと考えます。


それはLEDもレーザーも、半導体材料が用いられ、電子と正孔(ホール)[※半導体(または絶縁体)において、本来は電子で満たされているべき価電子帯の電子が不足した状態] の再結合によって発光している、という点では違いがありません。


つまり細胞に光が届くと、光受容体によって電気信号が発生します。例えば目に光が入ると網膜にある視細胞により映像信号や明暗信号が発生し、脳にある第一視覚にRGBに対応した映像信号を送るのです。これが光と細胞との相互作用です。


いずれにしても生体への光の深達度の波長依存性が重要で、波長が長い光は深達度が大きいのです。つまり、波長が短い青色光は深達度が小さく、波長が長い赤色光は深達度が大きいということです。


ほかの可能性として、光によって毛乳頭細胞が刺激される共振効果も考えられます。それは光の共振効果によって電気信号で刺激し、細胞に特定のmRNA [※たんぱく質に翻訳され得る塩基配列情報と構造を持ったRNA(リボ核酸)]の変化やたんぱく質の分泌を促すメカニズムです。これによってたんぱく質が毛母細胞から放出されていると想像できます。



超狭帯域赤色LED照射は若いうちから日常的に


●超狭帯域赤色LED照射の大きな条件は、まず自分の頭に毛乳頭細胞が残っているということになりますね。


小笠原氏: もちろん毛乳頭細胞が残っていることが条件です。超狭帯域の光で皮下の深い所にある毛乳頭細胞に優しく当てるのは難しいのです。


●ということは超狭帯域赤色LED照射は、早い段階から始めた方が効果があるという事ですね。


小笠原氏: 男性は20歳過ぎから髪が薄くなっていきますので、なるべく早めの超狭帯域赤色LED照射を日常的にすることをお勧めします。


●女性の場合はどうなのでしょう。


小笠原氏: 女性の毛髪にも効果を発揮すると思っています。そこで岡山県にあるレーザー治療で名高い河田外科形成外科の河田真作院長にお願いして、超狭帯域LED照射装置を使用していただいています。


インタビュー・文/佐藤彰芳 撮影/田村尚行



> 小笠原医師インタビュー(超狭帯域LEDの頭皮や皮膚への効果)

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