アデランスが運営する病院内理美容室『こもれび』では、ネイルやメイクの施術もしています。これらのサービスを提供するようになったのは、現場で働く看護師さんたちの声がきっかけでした。アデランスの大里修治さんはいいます。

「看護師さんたちは、患者さんが何を必要としているかをもっとも理解している存在です。そうした現場の声をいち早く取り入れ、患者さんが求めるサービスの実現に向けてスピーディに動けることが病院内ヘアサロンの強みだと思っています」

病気のせいで美しくなることをあきらめてほしくない。アピアランス(外見)ケアをより多くの人が受けられるように、と生まれたのが、移動式理美容椅子です。

「椅子はベッドの高さまで上がり、さらにフルフラットになるので、寝たままでのご移動が可能です。ヘアサロンへの来店が困難な患者さんも、体の負担を極力減らしたうえで、カットやシャンプーなどの施術を受けていただけるように設計されています」

綺麗になった髪や指先を見て、患者さんが少しでも癒やされるように、そして自分らしい生活ができるように『こもれび』はこれからもサポートし続けます。

取材・文/中村未来 撮影/富本真之