1968年、東京・新宿の小さなビルで男性用オーダーメイド・ウィッグをあつかう個人商店として、アデランスはスタートしました。
現在は日本にとどまらず、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国で、あらゆる人が元気で快適な毎日を過ごすお手伝いをする、グローバルウェルネスカンパニーとして活動の場を広げています。

たくさんの人との交流のなかで大切にしてきたことがあります。
それは、壁をつくらないこと。
そして枠を超えていくこと。

男性や女性という性の枠、年齢の違い、障害があるかどうか、元気なときや病気のとき、人種や国境……。こうしたさまざまな壁や枠を超えて、あらゆる人が自分らしくいられるためのお手伝いをしよう。

そうした思いが多くの人の笑顔となり、これまでアデランスを支えてきました。

「アデランスはもはやウィッグだけの会社じゃない」

国立大分大学との「抗がん剤投与による脱毛の予防」に関する共同研究に取り組む際、「医療用ウィッグの販売に影響が出ないか……」という懸念の声にたいして、津村佳宏社長は泰然としてこう答えたそうです。

ウィッグの必要性は高いが、自分の髪の毛が抜けてほしくない方が多いのです。ウィッグだけではなくあらゆる解決策に対応できるトータルヘアソリューションの会社でないといけないのだ、と。

自分らしくいられることで、私たちは自信を取り戻します。
そんなときに咲く笑顔の花をふやしていく仕事です。


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取材・文/中山圭子