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アデランス・大分大学共同研究
血管透過性亢進と抗癌剤治療による脱毛症の
因果関係解明の可能性を発見
~医学誌「Cancer Science」に論文が掲載~

2020年08月28日

毛髪・美容・健康のウェルネス産業の株式会社アデランス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長 津村 佳宏)は、2013年から大分大学と抗がん剤治療の副作用である脱毛症の予防に関する共同研究を進めています。この度、大分大学との共同研究において、大分大学医学部 消化器・小児外科学講座の佐川 倫子先生を中心とした6名の研究グループが、血管透過性亢進が抗癌剤治療による脱毛症の原因の1つとして考えられることを発見しました。また、本件に関する論文が日本癌学会の機関誌である「Cancer Science」にアクセプト(受理)され、2020年3月29日(日本時間)に掲載されました。本日8月28日(金)に当社研究開発サイトにて論文の和訳を公開しました。

「抗癌剤誘発脱毛症における血管透過性亢進の役割:マウスの毛包微小環境のin vivoイメージング」

抗がん剤によっておこる脱毛の要因解明に近づき得るもので、この研究を発展的に進めることで、抗がん剤脱毛の抑制効果が期待される新規αリポ酸誘導体の生体レベルでのメカニズム解明が期待されるものとなった。

大分大学医学部では、αリポ酸誘導体が抗癌剤治療による脱毛を抑制する効果があることを動物実験で確認しました。その際に、皮膚の炎症細胞浸潤の軽減や、毛根・毛幹障害の抑制、酸化ストレスの抑制、アポトーシス誘導の抑制などが生じていることを報告されていました。一方、当社では毛髪・美容・健康のウェルネス産業として、抗がん剤治療による脱毛に悩む患者様をサポートしたいと考えていました。医療現場では、がんの治療を優先される中、脱毛による容姿の変化を恐れる方も少なくありません。そこで、2013年11月に抗癌剤治療による脱毛の予防に関する共同研究の契約を締結し、産学連携のプロジェクトを開始しました。これまでαリポ酸誘導体を用いた脱毛予防剤の開発を目指し、脱毛のメカニズムの解明、脱毛を抑制する新しい治療薬の開発など行っています。

今回、論文が掲載された「Cancer Science」は、100年を超える歴史を持つ日本癌学会の機関誌で、世界でも定評のある癌専門雑誌として広く知られています。アデランスではこの論文の要旨を日本語訳し、アデランス研究開発サイトでも公開しています。

Role of increased vascular permeability in chemotherapy-induced alopecia: In vivo imaging of the hair follicular microenvironment in mice
(抗癌剤誘発脱毛症における血管透過性亢進の役割:マウスの毛包微小環境のin vivoイメージング)

佐川 倫子1、大嶋 佑介1,2、平塚 孝宏1、河野 洋平1、衛藤 剛1、猪股 雅史1
1:大分大学医学部 消化器・小児外科学講座、2:富山大学 工学部

抗癌剤誘発脱毛症(Chemotherapy-induced alopecia:CIA)は患者にとって最も苦痛な抗癌剤治療の副作用のひとつである。しかし、抗癌剤が脱毛を引き起こす原因は未だ明らかにされていない。今回我々は、生体内の深部で起きる反応をリアルタイムで観察できる2光子顕微鏡を使用した「in vivoイメージング法※1」を用いて、抗癌剤治療による脱毛症のメカニズムの解明を行った。

ICRマウス※2にシクロホスファミド※3(120μg/g)を腹腔内注射し、毛球の形態、皮下における血管透過性※4、血管密度の変化を、2光子顕微鏡と従来の方法※5で評価した。また、血管透過性と脱毛の間に因果関係があるかを判断するために、シクロホスファミド(50μg/g)をヒスタミン※6と組み合わせて皮下投与した。

シクロホスファミド注射の24時間後、注射前に比べ、2光子顕微鏡と従来の方法による観察では毛球が縮小し(図1、表1)、毛包周辺の血管の直径が減少し、血管透過性の亢進(図2)が確認された。また毛包周辺の血管内皮細胞および毛球と毛乳頭ではアポトーシス*7が生じていた(図3)。そしてヒスタミンで血管透過性を一時的に高めることにより脱毛が悪化した。

シクロホスファミドは皮下の血管密度の低下と血管透過性の亢進を引き起こすことが明らかになり、この血管透過性亢進が抗癌剤誘発脱毛症の原因の1つであることが示唆された。
※1生きたままの個体の画像から観察する方法。2光子顕微鏡を用いることで個体への侵襲が少なく、ある程度の深さまでの画像を得られる。
※2アルビノ(毛の白い)マウスの一種で、生体試験には古くから用いられている
※3乳癌をはじめ多種の癌化学療法に用いられることの多い抗癌剤の一種。CYPとも記される
※4血管とその周辺組織との間で起こる水分や栄養分などの移動のこと。通常タンパク質などの分子量の大きい物質は透過しないが、血管のトラブルや炎症状態、低栄養など様々な原因で同化性が亢進する
※5マウスを犠死させて採取した皮膚組織の切片を用いて検査する方法。HE染色法などがある
※6生体内での炎症、アレルギー反応、胃酸分泌、神経伝達に関与している物質の一種
※7細胞が自ら死を迎えること

*デキストラン=血漿増量剤などに用いられる多糖体の一種、血管透過性の画像撮影のために蛍光着色(150kDaは70kDaより高分子)

抗癌剤投与群では毛包および毛包の周辺組織のTUNEL陽性細胞(アポトーシスした細胞)が毛包周囲の血管内皮細胞(白矢頭)、毛球と毛乳頭(白矢印)に認められた。一方、コントロール群では認められなかった。

Cancer Science
https://doi.org/10.1111/cas.14396
Accepted: 14 March 2020

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