カミわざ

丸刈り・坊主にすると髪質が変わる?

目次:

■坊主にすると髪質は変わる?

■剃っても髪質は変わらない

■坊主にするメリット・デメリット


「坊主頭にすると毛が増える」「坊主にするとクセ毛や剛毛が直る」といったウワサ話を聞くことがあります。

坊主にすることで髪質がリセットされるような話に、試してみようかと考えたことのある人もいるのではないでしょうか。今回は、坊主頭と髪質の関係について、明らかにしていきます。


■坊主にすると髪質は変わる?

結論から明らかにすると、坊主にしても毛質は変わりません。当然、毛が増えたり、クセ毛や剛毛が直ったりといったこともありません。クセ毛や剛毛になるかどうかは、頭皮のさらに奥にある毛根に由来します。そのため、髪を切って坊主にしたからといって、直毛になったりサラサラの髪になったりすることはありません。

また、毛が増えるかどうかは、毛根の数に関係しています。毛根の数=髪の本数は、生後増えることはありません。ヘアサイクルの乱れにより見た目の本数が減っている場合などは、それを改善すれば増えて見えることは考えられるでしょう。

こうしたウワサがまことしやかにささやかれるようになったのは、思春期に坊主頭にすることが影響しているのではないかと考えられます。

現在は少なくなったかもしれませんが、かつて男性は中高生になると、部活動や校則などによって坊主頭にする場合が多々ありました。中高生の年代は成長期にあたり、ホルモンバランスが変わる時期です。ホルモンバランスが変わると、髪質も変化することがあります。このときに坊主頭にした経験があると、それが原因で髪質が変わったと錯覚。「坊主にすると髪質が変わる」というウワサ話に結びついたのではないでしょうか。

■剃っても髪質は変わらない

坊主にしても髪質が変わらないのは、髪が生えるメカニズムを知れば明らかです。髪は、頭皮の毛穴の奥にある「毛球」と呼ばれる部分でつくられます。毛球部にある「毛乳頭」が、毛細血管から髪の原料となる血液を取りこんで、毛母細胞に渡り、細胞分裂が繰り返されながら髪の毛がつくられているのです。

つまり、髪の毛を途中から切ったり、剃ったりしても、その下の毛球には影響がないので、髪の質が変わったりすることはないというわけです。

また、髪の毛が太くなるかどうかは、「毛周期」に関係しています。髪の毛が生えて、抜け落ちるまでには、毛周期というヘアサイクルがあります。毛周期は、毛母細胞が盛んに分裂して髪が成長する「成長期」、毛球部が縮小して毛母細胞の分裂が減少する「退行期」、毛母細胞の分裂が停止して成長が終わった髪が自然に抜けるのを待つ「休止期」に分かれます。

ヘアサイクルには個人差があって、だいたい男性で2〜5年、女性で4〜6年で1サイクルです。このうち、毛球が太くなるのは成長期です。髪が伸びつつ毛球が太く成長することで、髪も太くなるのです。このときに充分に血液から栄養をとって細胞が分裂することは、太くすこやかな髪に必要です。

また、せっかく成長した髪も、毛穴の目詰まりがあるとその成長の阻害になることも考えられます。髪をしっかり太くしたいという人は、栄養と血行促進、毛穴づまりを取り除くライフスタイルをこころがけてみてください。

■坊主にするメリット・デメリット

坊主にすることで、髪質が変わることにはつながりませんでしたが、それぞれメリットとデメリットがあります。

●デメリット
紫外線に直接さらされることで頭皮にダメージを与えます。紫外線を受けた頭皮は新陳代謝が低下して老化が進んでしまいます。日焼けも肌には大きな負担となり得ます。坊主だと蒸れることはありませんので、帽子をかぶって日差しからカバーするのがおすすめです。

また、皮脂についても考えておく必要があるかもしれません。
皮脂は毛穴の中から分泌し、髪や頭皮の潤いを保ってくれますが、放置するとにおいやトラブルの原因になることも。皮脂は髪の毛先にまでいきわたるのですが、髪が極端に短い坊主の場合は行き場がなく、頭皮に滞留しがちになります。まめにふき取るなど、皮脂がなるべく残らないよう気を付けましょう。

●メリット
坊主だとシャンプーをしたあとも、頭皮や髪が乾きやすいでしょう。髪を乾かす時間もほとんどいりませんし、寝ぐせを直すのに毎朝苦慮するということもありません。また、デメリットのところで述べた皮脂に気を付けていれば髪の毛が短いため汚れの付着が軽減し、臭うことも少なく、清潔感が保てます。


坊主にすると、髪質が変わるということはありません。なぜなら、クセ毛や髪の量、太さは頭皮の奥の毛根に関わっているからです。髪の毛を切ったり、剃ったりしたからといって、影響されることはありません。

もし、髪の毛を太くしたいという思いがあるなら、髪に栄養が行きわたる食生活と血行促進、毛穴づまりの解消に気を付けてみると良いでしょう。

記事初回公開日: 2016年2月15日