倉田 荘太郎医師インタビュー 男性型脱毛症が治せる時代に vol.1

2016年3月18日

脱毛の医学的なメカニズムが解明されるにつれ、薬剤治療の効果も高まってきた。また、赤色LED光を照射して細胞に刺激を与える物理的療法についても、そのエビデンスが蓄積されつつある。こうした医学の進展を、臨床現場の専門医師はどう見ているのか。

「薄毛は治療できるようになる」という確信が生まれたとき

髪と肌と美容の専門医院を営む倉田荘太郎医師が、毛髪研究の最前線に触れたのは、自身が90年代前半に米ウィスコンシン大学に留学していたときだ。


「それまでは、薄毛の治療には自分の毛を移植する植毛がいちばん有効だと考えていたのですが、当時のアメリカでは薬剤による治療の基礎研究が劇的に進化していました。私もミノキシジルなどがどのように毛包細胞に吸収されるのかという研究を進め、高い効果を確認しました。相前後して、こうした成分を含む薬剤が発毛剤・育毛剤として販売され、世界に広まっていきます。薄毛治療の新しい段階が到来していることを知り、わくわくする思いでした」と倉田氏は語る。


まさに90年代は人の髪の毛の成長・退行・休止期のメカニズム、いわゆる毛包幹細胞の存在や男性ホルモン作用機序が解明され、細胞に直接働きかける成分も特定されるようになり、男性型脱毛症にとって新たな光明が訪れた時代。薄毛は治療できるという倉田氏の確信は、99年の「くらた医院」の開設につながった。


いまミノキシジル成分を含む外用薬は薬局でふつうに購入することができる。フィナステリド(国内での商品名「プロペシア」)は医師の処方が必要な内服薬だが、昨年以降、その売上げは日本が世界でトップだという。 とはいえ、薬剤の効き方は人によって個人差があることも事実。いきなり10代のころの状態を取り戻せるかとなると、期待は薄い。


また、ヘアサイクルには時間がかかるため、すぐに毛が生えてくるわけでもなく、治療効果に対する期待や頭髪の外観イメージも人によって違いがあるから、薬剤を塗布・服用した人の効果満足度にはばらつきがある。 「こうした事情を、薬局や医師がしっかり説明して、患者さん自身が納得しながら治療を進めていくことが大切だ」と倉田氏は言う。



Vol.2
赤色LED光照射による治療や細胞大量培養による毛髪移植にも期待へ >

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