円形脱毛症の謎 種類と原因について

2015年6月25日

丸い形に脱毛する円形脱毛症は、男性だけではなく女性にも、若者にも年配者にも起こります。前触れもなく突然髪が抜け始め、進行速度も速いのが特徴です。原因は不明で、自己免疫説や末梢神経説など、複数の説があります。

円形脱毛症の謎

毛髪のメカニズムそのものが完全に解明されていない状況の中で、抜け毛の原因を特定するのはとても難しいことです。実際に原因がわからない脱毛症もいくつかありますが、その代表的なものとして、円形脱毛症とトリコチロマニーがあります。


丸い形に脱毛することからその名がついた円形脱毛症は、老若男女を問わず誰にでも起こる脱毛症だといわれています。なんの前兆もなく突然脱毛が始まり、他の脱毛症に比べて進行の速度が速いのも特徴です。


一般的にイメージされるのは硬貨大の脱毛部がポツンとひとつできるもので、これを単発型円形脱毛症といいます。それが複数になると、多発性円形脱毛症。その他にも抜け毛が頭全体に広がる全頭円形脱毛症、眉毛やまつげ、体毛まで抜けてしまう汎発性円形脱毛症など、ひとくちに円形脱毛症といっても、症状によってさまざまな種類のものがあるのです。


円形脱毛症の原因は、かつてはストレスといわれていましたが、その後多くの説が登場しています。毛根の細胞を異物とみなして、体が自然に排除してしまう自己免疫説。頭皮の末梢神経に異変が起きて脱毛するという、末梢神経説。ホルモンの異常分泌によるとするホルモン説や、自律神経の異常が原因という説。こういった要素が重なったときに毛が抜けるのだという多原因説など、実に多様です。


現在では自己免疫説が最有力ですが、気マジメで思い込みの強い人がなりやすいというデータもあり、ストレス説も捨て切れません。


ストレスの場合は、ウィッグの着用により精神的な不安をとり除くことも効果があります。また、最初は単発でもアッという間に複数になったり全頭に広がる例もあるので、やはり専門家の治療も必要でしょう。軽症の場合は育毛剤を使って治しますが、重症になると医学的治療が必要で、場合によっては精神安定剤や副腎皮質ホルモン(ステロイド)を投与することもあります。いずれにしてもある程度効果が認められた治療法があるので、気長に治療すれば髪が再生する可能性は充分あります。


ストレスが髪に悪いということはこれまで何度もふれてきましたが、明らかにストレスが原因と思われる脱毛のひとつに、トリコチロマニーがあります。


これは自分で自分の髪や眉毛を抜いてしまうというもので、大人でもなる人はいますが、小学生や中学生の間で増えていることが問題視されつつあります。本人も無意識のうちにやっていることなので、ある日突然髪や眉毛が薄くなっている自分の姿に愕然とする人も多いようです。


原因がはっきりしているという意味では、謎の脱毛症とは言えないかもしれませんが、心の問題だけに決め手となる治療法がないことや、「なぜ子供たちが?」という疑問が残るなど、やはり謎の部分が多いのです。


社会が急激に変化するときは、必ずどこかにひずみが起きます。たいていは変化のスピードについていけない弱者が、その犠牲となるのです。成人病にかかる子供が増えていることは、すでに何年も前から問題になっています。ライフスタイルの変化がもたらしたフィジカルな面での弊害が成人病だとしたら、メンタルな面でのしわよせがトリコチロマニーという形で現れたとも考えられるのではないでしょうか。


免疫や末梢神経に異常が起きることが原因とされる円形脱毛症も、ストレスが原因のトリコチロマニーも、髪の現代病とも言えるもの。体質の問題だけではない、さまざまな要因を含んでいます。その症例が年々増えつつあるということは、いったい何を意味しているのでしょうか。謎の脱毛症の増加は、単に個人の問題だけではなく、社会全体に対するなんらかの警鐘と受け取ったほうがいいのかもしれません。

おすすめ記事