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アデランスの研究開発 Case

〝ガゴメ昆布フコイダン〟の育毛効果

タカラバイオ株式会社の研究員に聞く「ガゴメ昆布フコイダン」

ガゴメ昆布フコイダンは、組織再生促進作用、免疫活性化作用など、さまざまな生理活性があることが実証されています。

日本では、昆布は縄文時代から食べられていたという説があり、長い食歴をもっている。数ある昆布のなかでも、タカラバイオが研究開発を進めるガゴメ昆布は、限られた地域のみに生育、収穫量は非常に少ないが、そのねばりの強さは他の昆布を圧倒するという。長年の研究の結果、主成分である酸性多糖「F-フコイダン」を高分子のまま含有するガゴメ昆布フコイダンには、ヒトの毛乳頭細胞を刺激し、毛母細胞を増殖させる働きを有することが明らかになったという。

「TaKaRa海藻エキス」による育毛剤の実践

タカラバイオ株式会社は、その前身である宝酒造株式会社(現・宝ホールディングス株式会社)のバイオ事業を立ち上げて以来、一貫して遺伝子・バイオテクノロジーに係る事業を発展させてきた。

こうした事業の中で、アデランスが最も注目しているのが、機能性素材「TaKaRa 海藻エキス」だ。これは北海道産の貴重なガゴメ昆布から抽出したガゴメ昆布フコイダンを含有する化粧品、医薬部外品原料で、ねばりが強く、肌になじみやすい性質を持つ。 タカラバイオは平成18(2006)年、このフコイダンを育毛料として特許を取得した。そのときの発明者の一人として名を連ねた出口寿々さんと、バイオ研究所主任研究員の大野木宏さんにガゴメ昆布フコイダンについて説明していただいた。

北海道函館近海のみで生育するガゴメ昆布は褐藻類・トロロコンブ属の食用海藻で、松前漬けに使われる。一般的なだし昆布と比べ、ねばりが極めて強いのが特徴だ
数あるフコイダンのなかで、ガゴメ昆布フコイダンだけの効果

ガゴメ昆布とはどのような昆布なのでしょうか。

出口:北海道の函館近海でしか生息していない珍しい昆布です。
最初は食べると健康にいいのではないかと研究が始まりました。特にそのネバネバは他の昆布にはないものなので、食品としての研究開発と同時並行で、肌に塗って化粧品の用途に使えないか、そして昔から昆布は髪の毛にいいといいますから、育毛剤として使えないかという研究を進めてきました。
その研究で注目したのがフコイダン。昆布などに含まれる多糖類で、海藻特有のぬめり成分の一つです。タカラバイオではその構造を解析し、フコイダンには主要な 3種の「F-フコイダン」「U-フコイダン」「G-フコイダン」があることを平成7(1995)年 に発表しました。そして特に、「F-フコイダン」に育毛効果があることを発表したのが 平成12(2000)年です。

特性はどのようなものですか。

出口:フコイダンにはガゴメ昆布フコイダンのほかに、トンガ産モズクのフコイダン、オキナワモズクのフコイダンなどがありますが、比べてみるとその作用は違います(図1)。ガゴメ昆布フコイダンが細胞に及ぼす力は圧倒的に強いことが分かりました。オキナワモズクの構造を解析しましたが、多糖の構造や硫酸基の量などが違っていました。

マウスの毛髪を毛胞ごとに採取して、各種海藻由来のフコイダンとともに培養した結果、毛胞の細胞増殖が促進され、毛髪の伸長が認められた。また、この作用は他の海藻由来のフコイダンと比較して、ガゴメ昆布フコイダンが一番強いことがわかった。

単に、フコイダンの特性と言うのではなく、ガゴメ昆布フコイダンの特性と言うことですね。

出口:そうです。各種海藻由来のフコイダンの量を揃えて実験しましたが、これは量ではなく、質の問題なんです。(*以下、フコイダン=ガゴメ昆布フコイダン)

成長因子産生が促進され、毛乳頭細胞が増殖される

育毛に関する基礎的研究は、どのようなものなのでしょうか。

大野木:育毛に関してはマウスの毛を刈り、フコイダンを塗布すると、毛の生えるスピードがどう違うのかを調べました(図2)。同じように、マウスの髭を抜き、髭が伸びるスピードを計ったりしました。
最近は、毛乳頭細胞を使った細胞実験を行いました。毛母細胞の増殖をコントロールしているのが、毛根の一番下に位置する毛乳頭細胞です(図3)。
この毛乳頭細胞から産生されるFGF-7というタンパク質(成長因子)は、毛母細胞の増殖を促進することが明らかになっています。

マウスの背部を除毛し、ガゴメ昆布フコイダンを塗布した結果、早い時期から発生に至る様子が観察された


毛根の構造図。毛母細胞の増殖をコントロールしている毛乳頭細胞で、ここから産生されるFGF-7というタンパク質が毛母細胞の増殖を促進している

出口:FGF-7の産生が上がると、ヒトのヘアサイクルの仕組み(図4)である2?6年の成長期、2?3週間の退行期、3?4ヶ月の休止期の中の、髪の成長期を長く維持し、さらに休止期を素早く成長期に移行させることで、育毛につながると考えました。
そこで、シャーレのなかに入れた毛乳頭細胞にフコイダンを添加して培養する実験を行いました。これは一定期間の培養中に産生したFGF-7のタンパク質量を調べる実験です。フコイダンを添加していないものはゼロで、1mlあたりフコイダン100μgを添加すると、FGF-7のタンパク質の産生量は増える結果となりました(図 5)。


健常人ヒト頭部毛髪由来毛乳頭細胞にガゴメ昆布フコイダン含有の「TaKaRa海藻エキス」を加えて培養した結果、FGF-7産生量が増加した

大野木:それはおよそ4、5倍に増えます。順番からいうと、まず遺伝子がたくさんできて、その遺伝子をコピーしてタンパク質を作ります。

出口:そこには時間差があり、16時間後に遺伝子が増えて、96時間後にタンパク質が増えていきます。

大野木:これはフコイダンが毛乳頭細胞に及ぼす結果ですが、フコイダンは毛乳頭細胞に限らず、神経細胞や肝臓の細胞なども活性化させます。しかし、その詳しいメカニズムはまだ十分には分かっていないのです。

肝臓をはじめ肌や髪などの組織再生促進作用

出口:肝細胞に対する増殖促進作用を持つタンパク質を肝細胞増殖因子(HGF)といいます。最近ではこのHGFが、肝臓だけでなく、腎臓、肺、血管、皮膚など多くの組織や器官の再生因子であることが明らかになってきました。
先ほど、フコイダンには毛乳頭細胞からのFGF-7のタンパク質の産生を増やす働きがあると申しましたが、タカラバイオでは、同じようにフコイダンにはHGFの産生を促進する作用があることも解明しています。

大野木:肝臓は生体再生できる唯一の臓器です。肝臓を半分取り除いても、自らがHGFというグロースファクターを出して再生をうながします。このHGFが見つかったのは肝臓からですが、実は髪の毛の周りや肌の細胞からも出ているということがわかってきたのです。
平成10(1998)年には、皮膚科学専門誌上で順天堂大学が、HGFによるヘアサイクルの変化による育毛作用について発表しています。こうしたところからヒントをいただいて、HGFが肌や髪に対する作用を持ちうるので、ガゴメ昆布フコイダンにもそういう効果があるのではないかと研究を始めた経緯があります。

体調と髪の毛って密接に関係していて、ストレスが加わると如実に肌や髪の毛に現れますし、肝臓もそうだと思います。フコイダンを飲むことで間接的に体調を維持・増進すれば、髪の毛という分野でも効果的ですね。

大野木:アデランスとの共同研究で、ヘアリプロブランドの内側からの育毛をテーマとしたサプリメントを開発しました。外側からも育毛剤やシャンプーなどで実践していただいています。

腸管などの免疫臓器に働きかける免疫活性化作用

ガゴメ昆布フコイダンの研究は、今後どのような方向へ進むのでしょうか。

出口:いろいろ考えられますが、一つは保湿作用の延長上にある美肌効果の研究です。社内ボランティアの人たちの肌にフコイダンを塗り、肌の状態を調べた実験なども行いました。

大野木:育毛以外で私が関心を持っているのは免疫の研究です。1990年頃、ファンクショナル・フードという健康維持機能食品は何かという関心が高まりました。そうしたなかで、ガンにならない食べ物として海藻やキノコが浮上します。
>動物実験で、ガン細胞を植え込んだ動物にそうした食べ物を与えると、ガンが大きくならないという結果が出てきました。それはなぜだと研究していくと、そうした食べ物は免疫力を活性化しているのがわかってきたのです。
その免疫力を活性化する場所こそが小腸で、腸管というのは栄養素を吸収する働きと同時に、外敵が来たときに体中にいち早く「敵が来たぞ、備えよ」と伝える免疫臓器でもあるんです。そこでガゴメ昆布フコイダンが働きかけて免疫力をアップできないかという研究を進めているところです(図6)。

さまざまな細胞を活性化させるガゴメ昆布フコイダンの研究には今後も目が離せません。これからもアデランスとともに毛髪研究を追求してください。さらなる研究の成果に期待しています。

ガン細胞を移植したマウスにガゴメ昆布フコイダンを0.5%混ぜた餌を4週間摂取させ、その後、マウスの脾臓細胞中のNK活性測定。その結果、ガンを移植したマウスではNK活性が低下したが、フコイダンを摂取させることによりNK活性が増加した(グラフA)。また、ガゴメ昆布フコイダンの摂取により、ガン細胞の増殖も抑制された(グラフB)。

インタビュー・文/佐藤 彰芳 撮影/圷 邦信 資料協力/タカラバイオ株式会社

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